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「表現力の正体」に迫る俳優×慶應×ベンチャーの共同プロジェクトチームが11/25(木)に公開研究セッションを開催

■SFC Open Research Forum2021への出展:https://orf.sfc.keio.ac.jp/2021/session/session-kato ※終了

■公開研究セッション:https://act-sfc-session20211125.peatix.com/ ※終了

最新研究と成果を紹介する「SFC Open Research Forum 2021」の連動イベントとして実施。約1年間の共同研究を通じて得られた「発見」を、リアルに体験できる

 演技・お芝居を通じた教育事業を行うACT株式会社は、2020年9月より慶應義塾大学SFC研究所(以下SFC研究所)と共同研究契約を締結し、「演技・役作りを通じた自己表現・探究の新しい教育に関する研究」を行っています。SFC研究所は、教育・コミュニケーション分野でも実験的な共同研究を多数手掛ける同大特任准教授の若新雄純氏が研究プロデューサーを務め、同大学院政策・メディア研究科委員長の加藤文俊氏、SFC研究所上席所員の木村紀彦氏らと研究チームをつくり、希望する学生を交えて研究活動をすすめています。

 俳優チームとして山田孝之氏、木村多江氏、阿部進之介氏、安藤政信氏らが初期の研究メンバーとして参加。演技と対話のワークショップを通じて、質の高い演技と表現力の関係や、役作りを通じた自己探究に関する暗黙知を”コツ”(パターン・ランゲージ)として言語化・体系化してきました。2021年11月19日(金)〜30(火)にオンライン開催されるSFC Open Research Forum 2021への研究出展および公開研究セッションの実施にあたって、俳優チームに清水くるみ氏も参画。共同研究の現時点での成果を約40分の収録動画として公開しました。それと連動した公開研究セッションを2021年11月25日(木)にBASE Q(東京ミッドタウン日比谷内)で行います。本公開研究セッションには、SFC研究所から若新雄純氏、木村紀彦氏、加藤文俊氏、ACT㈱から伊藤主税、そして俳優部から山田孝之氏が登壇いたします(詳細はイベントページへ)。

■感情とのコミュニケーションを実践するための「型」を体感

 この共同研究プロジェクトでは、2種類のワークショップを行いながら、プロジェクトを進めてきました。①俳優チームのメンバーが、ある映画*のワンシーンを実際に演じる「実演ワークショップ」と、②演技・役づくりへの考え方や向き合い方を、俳優チームのメンバーと一緒に対話をしながら深めていく「対話ワークショップ」です。出展した動画では、山田孝之氏、木村多江氏、阿部進之介氏、安藤政信氏と行ったワークショップをダイジェストでご覧いただけます。

*『ホテルコパン』(2016年、映画脚本:一雫ライオン)。ACT株式会社の母体である映画製作会社and picturesが製作した作品

(出展した動画内で、「感情」についての発見を語る木村紀彦氏と若新雄純氏)

 公開研究セッションでも、2つのワークショップをプログラムの一部として行い、会場参加者のみなさんと一緒に「感情とのコミュニケーション」をリアルに体験しながら深ぼる予定です。また、共同研究を通じて構築してきたパターン・ランゲージのプロトタイプをお披露目し、演技経験の無い大学生や一般人、役者の卵らが実践します。また、会場参加者の皆さんが、「気まずい感情」を題材として、実際にパターン・ランゲージの一部を活用するワークも行います。 

(清水くるみ氏と行った実演ワークショップの一幕)

■「感情とのコミュニケーション」をするための“コツ”とは?

 本プロジェクトでは、卓越した俳優たちの質の高い演技や役づくりの過程を、「感情とのコミュニケーション」だと捉えています。そして、約1年間の取り組みを通じて、感情とのコミュニケーションにおける暗黙知・実践知を、計4グループ・18種類のパターンとして言語化・体系化することができました。以下に一部をご紹介します。

 1つ1つのパターンは、画像左上の「パターン名」と画像右上の「▼大切なこと」に加えて、実際に卓越したプロの俳優部の方々から発せられた「▼俳優のことば」から構成されています。「パターン名」「▼大切なこと」は、対話ワークショップ・実演ワークショップを元にまず研究者が言語化し、それらを元に再び俳優部と振り返りながら対話をします。そしてパターン・ランゲージ全体をアップデートし、再び実践や対話を行うというパターン・リサーチの手法が用いられています。

 【本パターンの構築過程】
山田孝之氏、阿部進之介氏、安藤政信氏とのワークショップを元に最初の言語化

ラボメンバーの学生たちによる、パターンの実践ワークショップを実施

木村多江氏、清水くるみ氏とのワークショップを元にアップデート

山田孝之氏、阿部進之介氏との振り返り対話ワークショップを元にアップデート

公開研究セッションで一般参加者と一緒に実践



 今回のパターン・ランゲージは完成形ではなく、むしろ、完成することはないと言えます。研究チームへの新たな俳優の参画や、パターン・ランゲージを活用する中での知見によって、アップデートされ続けていくものだからです。今回の公開研究セッションを通じて、さらなるアップデートの種が得られることを期待しています。
 
 ここで生まれた知見は、またこれまでの公教育では顧みられてこなかった感情教育に一石を投じるべく、①役者志望の子どもたち、②演技経験のない一般の方々、③受験競争を続けてきた大学生のそれぞれに、ワークショップや教育プログラムとして還元していきます。具体的には、ACT株式会社は、子役向けの教育プログラムを開発していきます。SFC研究所では、学生向けの教育プログラムを検討していく予定です。引き続き、演技(act)に潜む「感情とのコミュニケーション」の可能性に迫り、私たちの日々の行為(act)を見つめ直すためのヒントを探究していきます。

お問い合わせ

社名:株式会社SEKAISHA
URL:https://sekaisha.co.jp
メール:corporate@sekaisha.co.jp
担当者(広報窓口):松田 壮一郎(まつだ そういちろう)

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