若新雄純と考えるゆるいエデュケーション第4回 vol.1 〜「試行錯誤」という最短ルート〜

2020年4月7日

(前回からの続き)

会社を作れば独立できるようになる?!

僕は大学1年のときに会社を作ったんですよね。そのころ、最低資本金特例(※)っていうのができて、1円でも株式会社が作れるってなって、超いいじゃんって思って。でも、それで会社作ったらみんなにバカにされるわけですよ。new youthって僕の「若新」を英語にしているだけなので、「何する会社なの」って。

今思うと、あの時は結構重要な考え方をしていたと思うんですよね。「会社を作れば独立する思考になって、独立した人生がかなう」っていう。嫌でも毎日が試行錯誤になる。だから、会社を作ろうと思ったんですよ。それが逆に最短ルートかなと。

何かこれって決めたビジネスを立ち上げるんじゃなくて、会社を作って代表取締役になって、名刺を持って配っていたら学生起業家になるし、学生起業家として学生時代を過ごせば、起業する人生になる。それで独立して食えるようになると思いましたね。

その時に周りの人たちは「あいつは会社作ったらしいけど、すること決まってないのに会社作って、社長とか言ってるよ」とか言っててバカにしてたんで、俺は、まぁ理解されなくてもしかたないか、みたいな心持ちでした。今みたいにフリーランス文化があったわけでもないし。

みんな、正しくないことはやりたくないじゃないですか。これなら食えるとか、このビジネスを明確に決めて起業するとか、計画が煮詰まって見込みができてから、始める人が多いですけど、だいたいそういう人はなかなかうまくいかないことが多いと思うんですよね。計画とか準備とか、目標設定に縛られすぎてしまって。そう考えたら、僕の人生は本当に全て試行錯誤ですね。

※編注:最低資本金規制特例制度。現在廃止

もし、高校生に戻るなら

大学時代のことを今、話していて思うのは、もし今、高校生に戻ったら頑張って受験勉強していたかというと、日本の大学は受験しなかったと思いますね。暗記するの嫌だし。それか最初からSFCの対策をしてSFCめざすか、どっちかだと思います。

海外の大学に進学すると、入ってからが大変ってよくいいますよね。グループワークが多いらしい。でも、それこそ向き不向き。

語学だって、コミュニケーション取ったほうが覚えるじゃないですか。海外では日本人向けの語学学校に行って編入して、みたいなのが普通みたい。

素質の向き不向きの問題だと思うんですよ。僕の素質で東大に受かることは無理だから、海外に行って、毎日外国の学生とコミュニケーションしまくって、それでもしかしたら東大よりも上とされている大学に行ける可能性もあるなら、それなら頑張ってみたい。今振り返れば、そう思いますね。

ただ、「人と付き合うのがめんどくさい」という人は海外向いてないっていう話は聞きます。他の先進国の教育プログラムって、日本に比べると圧倒的にチームでやることが多いらしいんですよね。それが面白い人だったら、言葉も、「学ぶ」ことも上達すると思うんですよ。

苦手に対して我慢をするんじゃなくて、いつのまにか巻き込まれていて、気づいたらめちゃくちゃ熱中してやってた、みたいな。毎日が試行錯誤。机に座ってじっとしているのが嫌な若者は、絶対そっちに行った方がいいと思う。

若新 雄純(わかしん ゆうじゅん)

福井県若狭町生まれ。株式会社NEWYOUTH代表取締役、慶應義塾大学特任准教授などを務めるプロデューサー。
慶應義塾大学大学院修了、修士(政策・メディア)。専門はコミュニケーション論。全国の企業・自治体・学校などと実験的な政策やプロジェクトを多数企画・実施中。

全員がニートで取締役の「NEET株式会社」や女子高生がまちづくりを楽しむ「鯖江市役所JK課」、週休4日で月収15万円「ゆるい就職」、目的のいらない体験移住事業「ゆるい移住」などをプロデュース。著書に『創造的脱力』(光文社新書)がある。

http://wakashin.com/

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